ごあいさつ
現代の医療技術の進歩はめざましく、国民の健康増進と、福祉・幸福の向上に寄与してきました。
しかし、まだまだ多くの問題が残されております。
その一つが癌患者さんの増加です。各種の消化器癌、乳癌において癌患者数は右肩上がりの増加をしめしています。
薬物療法が飛躍的な進歩を遂げたといっても、固形腫瘍においては依然として外科的切除が最も根治が狙える治療法であります。
それゆえ基幹病院の手術数は増加の一途を辿っております。その一方で外科医の減少が数年前から顕在化してきました。
散発的な待遇改善策は行われたものの奏功したとは言い難い状況です。
そして神奈川県は人口が多い自治体であるがゆえ、10万人当たりの外科医数は6.6人で埼玉県と並んで最下位となっています(全国平均10.0人、平成21年地域保健医療基礎統計より)。
このような外科医不足や偏在などの社会問題は大変大きな問題であり一外科医には如何ともしがたいですが、知らぬ顔で放置すれば横浜・神奈川の外科診療が崩壊するのは時間の問題であります。
私たちは一人でも多くの優秀な外科医を育成することが“未来の横浜”のためになると考えてきました。
そこで私たちは、消化器及び乳腺の固形腫瘍の診断、治療の普及や新しい治療法に関する臨床研究の実施や勉強会などを通して、優れた医療技術と科学的な洞察力を併せ持つ若手外科医師の育成を目的として、平成22年に横浜臨床腫瘍研究会を発足させました。
また、これらの事業を継続的に行うための基盤とすべく、平成25年からは特定非営利活動法人 横浜臨床腫瘍研究会(YCOG)として法人化いたしました。
本会では、現在までに43件の臨床研究を立ち上げ、そのうち数件は英文論文発表までこぎつけることができました。
また、平成26年からは若手外科医リクルートのため、初期研修医や医学生を対象として手術手技や手術シミュレーションを経験させるサージカルセミナーを3年連続で開催しており、好評を博しております。これも関係各位のお力添えのおかげと心より感謝しております。
私たちは、今後も広く社会に貢献したいと考えています。
また、社会的信用が得られるよう公正かつ透明性の高い運営を目指して、これからも努力を続けて参ります。皆様のご理解と幅広いご支援を賜りますようお願い申し上げます。
役員
理事長 :遠藤 格 (横浜市立大学 消化器・腫瘍外科学 主任教授)
副理事長:市川 靖史 (横浜市立大学 がん総合医科学 主任教授)
副理事長:秋山 浩利 (横浜市立大学 消化器・腫瘍外科学 診療教授)
理 事 :藤井 義郎 (国立病院横浜医療センター 外科部長)
理 事 :杉田 光隆 (横浜市立みなと赤十字病院 外科部長・肝胆膵外科部長)
理 事 :舛井 秀宣 (横須賀共済病院 外科部長・消化器病センター長)
理 事 :望月 康久 (横浜市立市民病院 外科部長・消化器病センター長)
理 事 :山岸 茂 (藤沢市民病院 外科部長)
理 事 :虫明 寛行 (南部病院 外科 診療・主任部長)
理 事 :松山 隆生 (横浜市立大学 消化器・腫瘍外科学 准教授)
監 事 :山口 茂樹 (東京女子医科大学 下部消化管外科 教授)